close close

ファリーズ製作のエナメルバングル

作品名 ファリーズ製作のエナメルバングル
制作年 1875年頃
制作国 フランス
制作者 ファリーズ
素材 エナメル、ゴールド

作品説明

アレクシスもしくはリュシアン・ファリーズによるゴールドとクロワゾネ・エナメルを施したプラークのバングルは、蝶番で連結した4枚の長方形のセクションにゴシック体の文字でMOULT AIME QUI ATTEND(待つことから大いなる愛は訪れる)と銘刻されている。頭文字のM、A、Q、Aが四角に囲まれており、4つのセクションに銘刻された各単語の導入になっている。レッド・エナメルを施した頭文字は、それぞれが異なった花と葉のシンメトリーなパターンで密に覆われたダークな地の上に配されている。その他の文字はペイル・ブルーの地の上にダーク・ブルーのエナメルで施されており、地の部分は様々な色彩の花と枝垂れた葉飾りで装飾されている。それらのセクションの内側は、ロイヤル・ブルーのエナメルが施されている。ゴールドの品位に対する2つのフランスの国家の検印がクラスプに、3つめが長斜方形の中に刻印されている(おそらくはメーカーのマークと思われる)が、明瞭ではない。

解説

1838年にアレクシス・ファリーズ(1811-1898)によって創立され、息子のリュシアン(1839-1897)によって継承された同名のパリのジュエラーは、ヨーロッパの過去からと日本美術からのものを再表現したデザインによって有名であった。ここでは、そのインスピレーションは、騎士道と宮廷恋愛の世界を想起させる中世のセンティメンタル・ジュエリーに彫られていたモットーであった。これらのブレスレットはエナメル技術の卓越を示すものでファリーズ父子の十八番となったが、ここでは、中世の写本を模すために用いられ、宝石にも似たカラーできらめいている。

リュシアン・ファリーズはそれらについて「親密なメメント……それらはもはや壊されることなく、彩飾を施した羊皮紙のように貴重な一族の家宝として受け継がれるであろう」と記述した。K.パーセル著『ひとつのジュエラーの王朝』(1999年、ロンドン刊)229ページ参照。

ダイアナ・スカリスブリック