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洗礼者ヨハネのジュエリー

作品名 洗礼者ヨハネのジュエリー
制作年 17世紀
制作国 スペインまたはシチリア
制作者 未詳
素材 ゴールド、ダイヤモンド、エナメル

作品説明

楕円形のゴールドのペンダントに収められているのは、ロープの縁飾りに囲まれたエナメルのプラークに描かれた幼児の洗礼者ヨハネが、荒野にいる場面である。彼の頭を光輪が取り巻き、泉のふちに腰掛けて、一方の手には水の入ったボウルを、もう一方の手には茎の長い葦のクロスを持ち、それに巻きついたスクロールには『ECCE AGNUS DEI(=神の子羊を見よ)』と銘刻されている。1頭の子羊が飛びついて彼の赤い外套に触れている。
12の花の装飾はエナメルが施され、それぞれテーブルカットのダイヤモンドがセットされている。正面には3つの花で覆った吊り輪があり、裏面はガラスで被われている。

解説

この幼児洗礼者ヨハネの表現は、17世紀のイタリアとスペインの絵画に近いものがある。
彼らの描くヨハネは、子羊とクロス、スクロール、杯を伴う。この作品をスペインのものであるとする確証は、楕円の形状とロープの内側の縁飾り、花のクラウンであり、スペインの1675年から1700年にかけての宗教的なジュエリーによく似たものがあるからである。
レティシア・アルベルタ著 『スペインのジュエリー』1998年、No.27、30、93、101参照。しかしながら類似のクラウン(ホワイト、ピンクエナメル)で、同じくリブによってセンターのプラークに接合されているものがM.C.デ・ナタレ著『シチリアのゴールドとシルバー』1998年、No.L30にあるが、それはシチリアの教会の宝物庫にあるジュエリーに比肩するものである。洗礼者ヨハネは聖処女マリアの姉のエリザベツの息子であり、イエス・キリストのミッションを告知する伝令者として働き、ヨルダン川でキリストに洗礼を与えた。この出来事は、幼児の聖ヨハネが掲げる水の入ったボウルによって暗示されており、『ECCE AGNUS DEI』の文言(ヨハネの福音書Iv.36)に通じる。

ダイアナ スカリスブリック

来歴

前ラルフ・イスメリアン・コレクションで、元ニューヨーク・マーティン・デスモニ・コレクション