作品名 | メメントモリ ロケットとクロスのペンダント |
制作年 | 17世紀中期 |
制作国 | 未詳 |
制作者 | 未詳 |
素材 | ゴールド、エナメル、ダイヤモンド、パール |
エナメルで描かれたキリスト像が釘で打ち付けられた十字架の枕木の表側は、テーブルカットダイヤモンドが敷き詰められており、表側には彩色したエナメルでキリストの受難の証の品々が白の地に描かれその上に聖なるモノグラム(組み合わせ文字)「IHS」すなわちキリストの略号が記されている。
1.三本の釘
2.キリストの顔が焼付いた聖ヴェロニカのヴェール
3.柱でキリストを打つために使われた鞭
4.ユダの裏切りの時の棒
5.やっとこ
6.金槌
7.雄鶏
8.柱
9.槍
10.海綿
11.梯子
12.葦
13.提灯
14.銀貨の入った袋
15.サイコロ
下には真珠が提げられている。この十字架上のキリスト像が提げられたハート型のメメントモリロケットは、蝶番で付けられたその蓋に白地に黒のエナメルでダイヤモンドの涙を流して泣く眼が描かれており、裏側には骸骨と交差した大腿骨が描かれている。このシンボルと涙と墓、そして多くの陰気なモットーが、未亡人となったルイーズ・ド・ロレーヌ(1553-1601)によって、シュノンソーの彼女の寝室の黒い壁に描かれた。アンリ3世の死後、彼女がそこに隠した時のことであったが、それらはまたジュエリーの題材にも取り入れられた。