作品名 | ルイ16世スタイルのリング |
制作年 | 19世紀前半 |
制作国 | 未詳 |
制作者 | 未詳 |
素材 | ゴールド、シルバー、ダイヤモンド、エメラルド |
ゴールドとシルバーのリングのフープがショルダーのところで枝分かれし、そのスペースにループになったダイヤモンドリボンがあしらわれ、ナイフブレードワイヤーで連結されたコレットセットダイヤモンドの楕円形のラインを支えている。上に冠されたベゼルはオールドマイン・ブリリアントカットダイヤモンドの小さなものと大き目のものによる二重の列でアウトラインがつけられ、そのセンターにダイヤモンドで縁取った1石のスクエアエメラルドが配され、上と下とをボウノットで結ばれている。
ルイ16世とマリーアントワネット王妃治世下の宮廷生活の思い出となる品々に取り囲まれることを好んだユージェニー皇后の例に倣って、ファッショナブルな女性たちはその時代のジュエリースタイルをリバイバルさせた。あらゆる点において、このエメラルドとダイヤモンドのリングは典型的にルイ16世スタイルのものである。シンメトリな長い楕円のベゼル、スケールの大きさ、ボウノットとリボンのモティーフ、そして二段になった石の重さはL.S.メルシエが『タブロー・ド・パリ』(1788年)の中で「今の流行は巨大なリングだ」と記したが、それに先立つ100年前と同様に、これほどの稀少なリングは比類ないものとして着用され、多くの人の視線を集めたであろう。