作品名 | 葉飾りをあしらったネックレス |
制作年 | 1903年頃 |
制作国 | フランス |
制作者 | ルネ・ラリック |
素材 | ゴールド、ガラス、エナメル |
サイズ | L31mm,W40mm |
ゴールドとガラス、エナメルによるネックレスは、リンクが様式化したグリーンの葉で構成されており、そこから吊り下がる13個の蕾は茎を付け棘に掴まれている。ルネ・ラリック製作、パリ製、1900年頃。
ジュエリーにおけるアール・ヌーヴォー・ムーヴメントを統括する天才として、ルネ・ラリック(1860-1945)は伝統的なジュエリーに代わるものを提供した。伝統的なジュエリーにおいては、使用されている宝石の素材価値と過去のデザインに触発されたデザインに重点が置かれていた。しかし彼は絶えず新しいテーマについて考え、自然からそれを引き出すとともにガラスなどの新たな素材を導入する先駆けとなった。そのガラスは、ここにあるように、魅力的なテクスチャーが施され様々なソフトなカラーに色付けされた。ラリックのジュエリーの中には、実際の着用に供するよりもオブジェ・ダールとして展示する方がより適したものもあるが、このネックレスは比較的シンプルでまたそれゆえに着用しやすく、あらゆるところで見かける因習的なパールとは一味違ったものを望む女性に向けられたものであることは確かである。ラリックはエナメル技法の熟練ぶりで知られるが、ここでは葉飾りのグリーンのリンクによって示されている。ガラスの使用が同じく意義深い点は、ラリックがやがてその装飾的なポテンシャルに非常に関心を深め、1910年以降はガラスが彼のアートの主要な表現素材となったからである。同じようなデザインのものは、S.バーテン著『ルネ・ラリック、ジュエリーとオブジェ・ダール1890-1910』(1977年、ミュンヘン刊)、243ページ、no.335および336に掲載されている。