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ジョージアン ゴールド ネセセール

作品名 ジョージアン ゴールド ネセセール
制作年 1825年頃
制作国 イギリス
制作者 未詳
素材 エメラルド、ゴールド

作品説明

このネセセール(道具箱)の中身は、栓付の香水瓶と刃用の別々になった鞘付の鋏、ボドキン(ヘア・ピン)、針箱で構成されている。栓と鋏、鞘、ボドキン、針箱はフィリグリーとグレネティで細工された多色のゴールドで作られており、バラの小枝と葉がレリーフにされ、エメラルドがちりばめられている。オリジナル・ケース入り。

プロヴナンス

第一皇女のヘアウッド伯爵夫人(1897-1965)

解説

最初の所有者、ロマン主義時代の裕福なお針子にとって、この道具箱は実用的以上の品物であるだけでなく、同じくまた贅沢品でもあった。鮮やかなグリーンのエメラルドは、ゴールドスミスの技とジュエラーのそれとの幸運な結びつきによって、多色のゴールドから輝き立っている。彼女はきっと自分の仕事机に坐って、刺繍したり縫ったりして、その間に友人や家族たちとおしゃべりをしながら、必要に応じて使用する、素晴らしい仕上げのこれほどにクォリティの高いこれらの各道具は、使用したり、眺めたりすることが楽しみであったであろう。香水瓶の栓には吊り下げ用の鐶がついており、これはそれがいつも道具箱に入れられていただけではなく、そこから出してシャトレーヌから提げて着用されていたことを示している。お針子仕事は19世紀初期の20年間あたりは、女性たちの最優先の仕事であったことから、花嫁は自分のコルベイユ(結婚祝いの品)すなわち結婚の小箱の中にこのようなネセセールを受け取ることを期待したと思われる。婚礼の儀式の後のパーティで、贈り主の名前の付いたそれが、彼女へのその他のギフトとともに展示された。

このロイヤル・プロヴナンスが重要であるのは、ジョージ5世の妻にして第一皇女のメアリー王妃が歴史的に興味深いこれらのアクセサリーに対して情熱を抱くとともに、大きなコレクションを購入、形成したからである。王妃の娘の第一皇女もそれらに対する趣味を相続し、それゆえに彼女もまた遠い過去を思い出させるそれらのパワーを評価していたのである。

ダイアナ・スカリスブリック