作品名 | ダイヤモンド クラスター リング |
制作年 | 1780年頃 |
制作国 | 未詳 |
制作者 | 未詳 |
素材 | ゴールド、ダイヤモンド、シルバー |
ゴールドとシルバーのリングのシンプルなフープが支えるラウンド・ベゼルは、センターに配したクッションカットダイヤモンドを8石の小さ目なダイヤモンドが取り巻き、その両サイドにダイヤモンドのポイントがあしらわれている。裏側を塞いだクローズドバックセッティング。
このようなダイヤモンドリングは、身分の高い女性によって特別な機会のためによく着用されたものである。小さ目のダイヤモンドの取り巻きの内側に置かれたセンターのダイヤモンドは、ロウソクの明かりを最大限の効果で反射するようにセットされており、それによって幅広のレースをトリミングした袖から覗く手に注意を引き寄せるとともに、着用する者の社会的地位を暗示した。
この裏側を塞いだクローズドセッティングは、高価なダイヤモンドをしっかりと所定の位置に固定した。その時代に入手可能な唯一のホワイトメタルであったシルバーの使用は、ダイヤモンドの白さを引き立てた一方、イエローゴールドはシャンク(フープ)に強靭さを与えるとともに、シルバーが指に黒うつりしてしまうのを防ぐよう工夫されたものである。