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ルビーとダイヤモンドのネックレス

作品名 ルビーとダイヤモンドのネックレス
制作年 18世紀後半
制作国 未詳
制作者 未詳
素材 ゴールド、ダイヤモンド、シルバー、ルビー

作品説明

このネックレスは23個のクラスターから成るが、それぞれ1石のルビーがローズカットダイヤモンドに取り巻かれており、サイズはセンターから端に向かってグラデュエーションになっている。またクラスターと交互に配されている様式化された花の蕾は、それぞれローズカットダイヤモンドの間にルビーが1石ずつセットされている。後ろのクラスプは、各セッティングの裏側が閉じたクラスターによって隠されている。

解説

古代より、ネックレス以上に女性の身体の構造に合うジュエリーは無いということが認められてきた。全てのジュエリーの中で最も女性らしいものとして、肩と胸のところに飾られるのは、その場所がネックレスのもつ魅力を展示するスペースとして最適だからである。
18世紀のジュエラーの第一の目的は女性を美しく見せることである、ネックレスは大いに彼らの関心を引いた。花のガーランド、結ばれたボウノットなどのデザインもあれば、こうして石本来の美しさに頼るものもあった。ここでは、ローズレッドのルビーのヴェルヴェットにも似た輝きが、ローズカットダイヤモンドから放たれる煌めきによって高められており、またクラスターの間の花の蕾は、単純なクラスターの連なりに自然主義の魅力を添えている。
ネックレスは素肌に直に着けることが出来るが、18世紀の女性の肖像画はこのようなデザインが同じくレースの襞襟や喉の周りに結んだヴェルヴェットリボンの上に載せて引き立てられたことを示している。コートドレスに不可欠な要素のひとつとして、富と地位のある女性はこれと同じくらい重要なネックレスを所有することを切望したが、それは彼女の外見的な魅力を高めるとともに、社会での役割を演じるに必要な自信を与えたのである。パリのファッショナブルな女性たちがスタイルとクオリティのスタンダードを創り、他のヨーロッパの国々はそれに追従した。この見事なネックレスはフランス革命より前の時代から残ってきた稀少なもので、装飾美術の黄金時代…つまり他の全ての優雅な暮らしの調度品…家具、テキスタイル、シルバー、陶器などと同様に、二度とふたたび超えることのできないレベルに達していたのである。

ダイアナ スカリスブリック