作品名 | ローマのシグネット・リング |
制作年 | 3世紀頃 |
制作国 | 古代ローマ |
制作者 | 未詳 |
素材 | ブラックオニキス、ゴールド |
ゴールド・リングの凸面になったフープは、アップリケのモティーフに成形した舌状のモチーフを伴う畝を立てたV字型のショルダーへと幅を広げ、ニコロのインタリオをセットしたオーヴァルのベゼルを支えている。インタリオには、木陰で山羊と踊る農民が描かれている。
この印象的なリングにセットされたインタリオは平穏な田園生活の喜びを物語るもので、それはローマの軍人や一般市民たちの多くが将来における自分たちの生活のあり様として夢見たものであった。この幸福なシーンはまた、ヴェルギリウスの詩『牧歌』のテーマに倣ったものである。重量感のあるサイズとセッティングの品質は、このリングが富と地位を具えた人物の所有物であったことを示している。