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母子と洗礼者ヨハネのピエタ インタリオ ペンダント

作品名 母子と洗礼者ヨハネのピエタ インタリオ ペンダント
制作年 17世紀
制作国 イタリア
制作者 未詳
素材 ゴールド、ブラッドストーン

作品説明

楕円形のゴールドペンダントのギザギザをつけた黒い縁飾りの中には、ブラッドストーンによる両面インタリオが収められている。一方の面に表されているのは、キリストを腕に抱えて脇に幼児の洗礼者聖ヨハネを従えた聖処女の立ち姿である。周りをラテン語の銘「REGINA CELI MISERE MEI(=天上の王妃、我に慈悲をたれ給う)」が囲んでいる。
もう一方の面はピエタで、十字架の下、死したキリストが聖処女の膝の上に横たわっており、哀歌I,v.12からの「NON EST DOLOR SICUT DOLOR MEUS(=我の悲嘆に似た悲嘆などない)」の銘が刻まれている。このペンダントは3本のチェーンに付けられた提げ環から吊り下げられている。

解説

二つのテーマ「キリストの幼年期および洗礼者聖ヨハネとの友情と哀れみの聖処女」が一緒になって、聖処女の神である息子に対する全的な愛の表現がこのペンダントに捧げられており、信仰の強い表明が行われている。この積極的な姿勢は反宗教改革の典型的なもので、その時代に固い信念のリーダーシップのもと、ローマカトリック教会はプロテスタント教会の興隆によって蒙ったダメージを修復した。新しい教会が次々と建設されて宗教的な秩序が築かれ、また全ての芸術が蘇った宗教的精神の表現が求められたのと同様に、宝石彫刻師も信仰心のカメオとインタリオを彫るよう用命が下された。この実例もそのうちの一つで、着用もされたであろうが礼拝用の道具を飾ることにも使われたであろう。

ダイアナ スカリスブリック