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顕現日のメダリヨン

作品名 顕現日のメダリヨン
制作年 16世紀中期
制作国 イタリア
制作者 未詳
素材 エナメル、ゴールド

作品説明

オーヴァルのゴールド・メダイヨンには、不透明と半透明とりどりのカラー・エナメルで顕現日のシーンが描かれている。厩の前で、聖ヨセフに見守られながら、聖処女マリアの膝の上に座す幼児のイエスが、跪くカスパルが捧げるゴールドを受け取っている。その傍らで黒人の王バルタザールが自分の贈り物を捧げるのを待ち、同じくターバンを着けクラウンを戴いたメルキオールも蓋付の丈の高いカップを持って自分の番を待っている。彼らをベツレヘムへと導いた星が、空高く輝いている(マタイによる福音書2、vv.1-12)。マットな地に磨いて施した様式化した植物モティーフ“グロテスク”を伴う丸いゴールドの縁飾りのフレームが付く。金糸で縫った複雑なモノグラムを伴うシャーク・スキンによるケースのペンダントに収められている。顕現の絵はイタリア製、16世紀中頃、フレームはおそらくそれより後年、ケースは17世紀後期。

解説

ルネサンスのゴールドスミスが二度と達しない頂点へと高めた、彫刻的な表現とエナメルを施す技術を如実に物語るこのメダイヨンは、ベンベヌート・チェリーニが最も偉大なマスターである造形的スタイルのものである。彼の自伝および諸論文は、これらのミニアチュールの傑作を創造するに際して解決されなければならなかった諸問題と技術上の困難を記述している。表面は非常に小さいながら、このゴールドスミスは6人もの像を一まとまりにすることに成功しており、それぞれが明瞭に個別化されるとともに驚くばかりにディテールが表現され、キリストの物語の中の最も偉大な瞬間のひとつ、古代世界の支配者たちによるキリストの認知というそれを想起させる

 

ダイアナ・スカリスブリック