用語集

メレリオ・ディ・メレー【ジュエラー/メゾン】

Mellerio dits Meller

フランスで最も古く、現在もなお一族経営が続く主要なパリのジュエラー。16世紀初期に一族の一人がイタリアからパリに出て商いを始め、1613年にはフランス全土での行商の勅許を賜る。1635年にはルイ13世の宮廷ジュエラーとなり、「メレー」姓を用いる特権を賜った。19世紀の初頭にいくつかの店舗を展開するが、フランソワ(1777-1843)が今日の基礎を築き、やがてリュ・ド・ラ・ペ9番地の本店に統合された。ジョゼフィーヌ皇后を始めナポレオン一族の寵を賜るが、王政復古となってもその地位は揺るぐことがなかった。また1830年からのルイ・フィリップの王政下では、オルレアン王家一族の厚遇を賜った。1848年の革命に続く経済不況下ではマドリードへの出店が成功し、スペイン女王イザベラ2世の御用達ジュエラーとなる。続く第二帝政期にメゾンは黄金期を向かえ、ユージェニー皇后を始めとする皇帝一族、皇帝の従妹のプリンセス・マチルドから大量の注文を賜った。1862年のロンドンを皮切りに数多くの万国博覧会に出展したが、特に1867年のパリ万博では、イタリア国王ヴィットリオ・エマヌエレ2世が買い上げたティアラがゴールド・メダルに輝いた。1878年にも同じくゴールド・メダルを獲得し、当主にレジオン・ドヌール勲章が授与された。20世紀に入っても1925年の装飾美術博覧会、1939年ニューヨークのワールド・フェアに出展。現在もパリの主要なジュエラーとして盛業が続いている。