用語集

レガ、フィリッポ【宝石彫刻師】

Rega, Filippo

ナポリ生まれの宝石彫刻師にしてメダル製作家のフィリッポ・レガ(1761-1833)は、18世紀ローマの著名な宝石彫刻師ジョヴァンニ・ピクラー(1734-1791)の弟子でアッカデミア・ディ・サン・ルカにおいて2つの賞を獲得した。1776年からローマで活躍するが1787年にナポリに戻り、その地でスペイン・ブルボン家と後のナポレオン家の宮廷御用達となる。ナポリとスペインの王ジョゼフ・ボナパルトは彼にカヴァリエーレ・デッラ・レジオーネ・ドノーレ勲章を授け、レアレ・アッカデミア・ディ・アルケオロジカ・エ・ベッレ・アルティの住み込みの特別会員とした。数多い貴石およびハードストーンのカメオとインタリオの中でも肖像のものが特に重要で、オーストリア皇帝フランツ1世やネルソン提督といた同時代の君主や英雄の肖像は大英博物館などに収蔵されている。神話や古代の題材を扱ったものも彫っており、ニューヨークのメトロポリタン博物館を始め各国の博物館に所蔵されている。無数のカメオは多くがキャストで記録されているが、ほぼ常にギリシャ文字でサインが入れられており、たまにREGAとサインがある。