用語集

ウェッブ、デイヴィッド【ジュエラー/メゾン】

Webb, David

ノース・カロライナ生まれのデイヴィッド・ウェッブ(1925-1975)は、16歳でニューヨークに出てジュエリーのデザインと製作を学んだ。実作の基礎については叔父の一人が運営する工房で修行し、1946年に20歳でパートナーのニナ・シルバーシュタインとともにマンハッタンの49thストリートにデイヴィッド・ウェッブ社のブティックをオープン、1950年代の初頭にはより高級な57thストリートに移転した。彼のジュエリーは同じく、バーグドルフ・グッドマンおよびボンウィット・テラーでも販売され、顧客のひとりであったジャクリーン・ケネディはウェッブのジュエリーを着用したのみに留まらず、公的な贈答品としても購入した。そのインスピレーションの源泉は古代とエキゾティックな文化で、ギリシャやローマ、エトルリアに加えてインドと中国、アステカやマヤもお気に入りであった。また貝殻を使ったシェル・イヤリングは、ウィンザー公爵夫人がコレクションとしてお買い上げになった。有名なアニマル・ジュエリーはカルティエの著名なスティリスト、ジャンヌ・トゥーサンに負うところ大だが、これによって彼は独自のスタイルを確立した。1960年代にはアール・デコの精神に基づいたロック・クリスタルやコーラルのリングやイヤリングをデザインし、安価な宝石素材やエキゾティックなウッドなどの再導入と色彩効果という1970年代の典型となるジュエリーを最初に試みたジュエラーとなった。1975年にウェッブは49歳の若さで逝去するが、メゾンはシルバーシュタイン夫人のディレクションの下に彼が遺した無数のモデルの製作が続けられた。