用語集

リオン、オーギュスト【ジュエラー/メゾン】

Lion, August

フランスのジュエラー兼チェーン製作師、オーギュスト・リオン(1830-1895)は、メスのヴェヴェールのメゾンで徒弟修業を積むとともに職人として働いた後、1852年にパリに出て当時の腕の立つチェーン製作師のひとりで同郷のデュポンの許でさらに技に磨きをかけ、1855年に独立した。活発で創意工夫に富んだメーカーである彼は、チェーンの製造法の改善に対する数多くの発明を考案し、多様なモデルを展開した。インペラトリス(皇后)やエコセ(スコットランド人)、アルザシアン(アルザスっ子)、ナポリタン(ナポリっ子)などと様々な名前の付いた彼のチェーンは、あらゆるアイテムに採用された。そのモデルと製作方法に関して、彼はフランス国内だけでなく外国でも多数の特許を取得した。1867年のパリ万国博覧会ではシルバー・メダルに輝き、1878年のそれではゴールド・メダルを獲得する。彼は1886年にアトリエを第三者に譲って引退するが、その前年の1885年、1859年から1884年までに自ら創造したジュエリー・モデルのコレクションをすべてパリの装飾美術博物館に寄贈した。