用語集

リュベル、ジョン【ジュエラー/メゾン】

Rubel, John

フランス出身のジャンとロベールのリュベル兄弟によって設立されたアメリカのメゾン。そもそもはパリのグランド・メゾンのために製作を行っていたが、その中にはヴァン・クリーフ&アーペルも含まれた。兄弟は母国を離れて当初南アメリカに向かい、1939年にニューヨークに到って居を構える。そこでニーマン・マーカスとヴァン・クリーフ&アーペルのニューヨーク支店の納入業者として仕事をするが、後者に対してはそのすべての製品を製作した。しかし1943年、兄弟はヴァン・クリーフ&アーペルと手を切り、ジャンは名前を英語風にジョンと改めるとともにフィフス・アヴェニューにブティックをオープン。そのジョン・リュベル社は、ジュエリー・メゾンとして瞬く間に成功を収めた。彼らの最も目覚しいクリエイションは、ブローチのシリーズとウォルト・デズニーの『不思議の国のアリス』の中の踊る花にインスピレーションを得たピンのコレクションであった。同じく、小さな "バレリーナ" ブローチをヴァン・クリーフ&アーペルのために製作したことでも知られるが、このモデルはその肖像権の帰属をめぐって論争を呼ぶ。その後もグリニッジ・ヴィレッジの劇団からインスピレーションを得てフレンチ・カンカンとフラメンコのダンサー・ブローチをデザインしたリュベルは1947年に閉店するが、そのジュエリーは1950年代のジュエリーのテーマとカラーを先取りするものであった。