用語集

リバティ社【ジュエラー/メゾン】

Liberty and Co.

1875年にアーサー・レイゼンビー・リバティによってオリエントの美術工芸品を販売するために創立された著名なイギリスの百貨店リバティ社は、アール・ヌーヴォーのイギリス的ヴァージョンの代名詞としても知られる。ラファエル前派の画家エドワード・バーン=ジョーンズとダンテ・ガブリエル・ロセッティも顧客に名を連ねた。1888年から翌年にかけて、同社はジュエリーとシルバーウェアの商品ラインとして知られるキムリックを商品化する。ほぼすべてのモデルが量産化された同ラインは非金属やシルバーに貴石を用いた手ごろな価格のジュエリーを打ち出したが、それらはアーツ・アンド・クラフツ・ムーヴメントのメンバーたちによるジュエリーに比肩するものであった。このシリーズには作家のサインはなかったが、オリヴァー・ベイカーやアーチボルト・ノックス、ジェシー・キング、アーサー・ガスキンと妻のジョルジナ、レックス・シルヴァーといったデザイナーたちが創作に携わったとされている。大きな成功を収めたのは1900年から1912年にかけての時代で、その後はよりエキゾティックでよりカラフルなジェイドおよびアンバーのジュエリーに取って代わられるが、1920年代の末に至ってもムーンストーンやアメシストで装飾したものがカタログに掲載されていた。