1810年にニューヨークに開設されたジュエリー・メゾンだが、前身は1801年にジョージア州サヴァンナで創業している。1851年にロンドンのクリスタル・パレスで開催された万国博覧会に参加した数少ないアメリカのメゾンのひとつ。同時代の重要なジュエリー・メゾンの例に漏れず、フィフス・アヴェニューを本拠とする。顧客にはヴァンダービルト一族やグッゲンハイム一族、カーネギー一族らが名を連ねた。1876年にA. V.フロストとC.スターが参加し、社名を改める。そのシンプルなラインのジュエリーは伝統的なヨーロッパのスタイルをよりクラシックなアメリカ趣味に合わせたもので、第一級の品質の仕上げと最も豪華な宝石を結び付けたものであった。ハードストーンを精緻に彫ったカメオにも優れ、パールやダイヤモンドで装飾したマウントにそれらはセットされた。アール・デコの時代にもアメリカを代表するジュエラーとして君臨し、プラチナにパヴェ・ダイヤモンドやカリブレ・カットの貴石をセットした幾何学デザインのジュエリーやエナメルを施したゴールドのヴァニティ・ケースや化粧道具入れなどのアクセサリーもレパートリーとした。さらに、ミステリー・クロックではカルティエと競うほどであった。1939年のニューヨーク・ワールド・フェアでは、サーティーズ・スタイルの典型である曲がりくねったスクロール・モティーフを含む大胆な大きさの印象的なジュエリーを展示し存在感を示したが、1966年、共同経営の中断に伴ってメゾンは閉鎖された。